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本研究室では河川や湖沼などの陸水圏をメインに,健全な水環境の維持や,水環境に関わる災害の防止/抑制について,水の流れをキーワードに研究を行っています.

人々の環境に対する意識の高まりにつれ,我々の生活を支えてきた川や湖など,身近な水辺への関心が高まってきています.また,それら水域は我々の生活と身近であるため,津波などのように,時として不幸にも甚大な災害を被ることもあり,川や湖沼など身近な陸水の水環境を健康な状態に維持し,それによる水難災害を防ぐための努力を続けることが求められています.

ひとくちに水環境と言っても,水温・栄養物質・汚濁など水質的要素,水辺の動植物・魚類など水生生物からなる生態系のように,複雑多岐にわたる要素がお互いに連関しあって水環境を構成しています.しかし,津波や氾濫など災害は水の移動,水質に影響を及ぼす物質の輸送は流れというように,水環境におけるいずれの要素を考える場合であっても水の流れを捉え,その動きをもとに環境現象を検討することが必要とされます.

最先端の計算手法を用いた高精度な3次元流動プログラムの開発や,並列プログラミングやGPGPUなどのコンピュータ技術を活用した大規模高速解析モデルの実用化など,水の流れのコンピュータシミュレーションモデルの開発と適用を広範に繰り広げるとともに,環境問題の生じている実際の現地に赴き観測を行う現地観測水路実験,あるいは衛星画像を用いたリモートセンシングなど様々な方法を駆使して水の流れと水環境を読み解く研究を行っています.