流れ&人体相互作用シミュレータ DRUM

津波にのみこまれた場合など,水難事故における危険性を評価するには流れと人の相互作用を解析可能なシミュレーションモデルが有効です.本研究室では3次元的な流れ場の解析と,関節を考慮した人体姿勢の変化の解析を組み合わせ,それらの相互作用を考慮しつつ,流れと人体運動を同時に解析可能な新なシミュレーションモデル,DRowning hUman Model (DRUM)を開発しています.

 

DRUMの計算例

左は関節を考慮した場合,右は関節を考慮しない場合で,関節の動きを計算して人体の姿勢変化を考慮することで沈みこむ過程が大きくことなることがわかる.

波高7mの津波を模擬した計算例

段差背面渦による巻き込み

 

DRUMの基本コンセプト

流れは空気と水を同時に解く3次元混相流動解析により求め,人体姿勢の変化はリンクモデル(人体を関節で接続された剛体の集合として模擬)を用いて解析する.流れと人体の相互作用は,流れ中の圧力を人体の表面について積分することで,人体各部位に働く力を算出することで表現される.

 

人体の表現方法

電子データをもとに人体各部位の形状をシミュレーション上で表現する.

人体各部位の運動は,回転と並進運動を関節からの力や流体からの力を考慮して計算される.関節運動は実際の関節の稼動範囲データをもとに,その範囲のみ動くように制限されている.

 

モデルの検証実験

DRUMによる計算の正確さの検証のため,レーザーと画像解析を用いて流速分布を計測するPIV実験を行なっている.