急斜面での雪崩の危険性評価のシミュレーションをしています。角度45度の急斜面で雪崩に遭遇した人体の解析です。雪崩は非ニュートン流として解析しています。
水工学論文奨励賞を受賞しました
昨年、修士2年生の学生が執筆し、土木学会論文集に掲載された論文「人体-流動連成数値解析による高所からの落水事故の傷害リスク評価」が「水工学論文奨励賞」を受賞しました。この研究は学生さんのアイデアで取り組み始めたもので、橋など高所から水面へ落下することの危険性を評価したもので、今後の事故防止に役立つと期待しています。
おめでとうございます!
水工学講演会 2023 in 大阪
論文発表会
研究室訪問
土木・環境工学系の学部3年生が研究活動の体験をしてくれました。打ち合わせ1ヶ月、シミュレーション・研究実施1ヶ月の長期間頑張ってくれました。「泥流の津波に被災した場合の浮遊物との衝突」、「津波被災時にペットボトルを救命胴衣に利用した場合の効果」、それぞれについてシミュレーションを実施してくれました。おつかれさま!
「泥流の津波に被災した場合の浮遊物との衝突」
・波高2mの場合(含水率600%)
・波高50cmの場合(含水率600%)
「津波被災時にペットボトルを救命胴衣に利用した場合の効果」
・ペットボトル(2L,4本)を救命胴衣に利用した場合(波高10m)
・ペットボトルなし
水工学講演会 2022 in 松山
可視化
研究室ではParaviewを可視化ソフトに使用しています。Apple製のPCはApple内製のCPUに変更されたため、しばらくParaviewでRaytracingができませんでした。このたび、Paraviewが5.11.0にアップデートされ、めでたくApple製CPUでも可能となりました。下のアニメーションは水中を走る際の流体計算結果です。歩行など人体の運動動作を入力し、その際に水から受ける流体力が評価できるようになっています。この機能を使って避難時の危険性などの研究がしたいのですが、あいにく担当していた学生さんの卒業で一時ストップしています。だれか引き継いでくれると嬉しい…
研究室訪問
学部3年生が研究活動の体験をしに来てくれました。下はその際に行ってくれたシミュレーションです。自分で研究の問題設定をし、シミュレーションの入力データの作成、シミュレーションの実行、そしてシミュレーション結果の可視化まで頑張ってくれました。
1. 堰状構造物の人体の流下阻止能力のシミュレーション
ケース①:うつ伏せ姿勢
ケース②:膝を抱える姿勢
2. 海岸における地形が溺水に及ぼす影響のシミュレーション
ケース①:一定勾配の地形
ケース②:海岸にリーフ状の地形がある場合
最近の取り組み
港湾空港技術研究所が開発したシミュレーションモデルSTOC-LT[1]を用いた研究をスタートさせています。東京湾の高精細シミュレーションを目標にしていますが、現在は学生さんとシミュレーションモデルの勉強中です。STOC-LTは流動に加え、水質、生態を同時に解析可能なモデルで、魚のシミュレーションも可能!大変素晴らしいモデルです。
[1]田中陽二・鈴木高二郎(2010), 港湾空港技術研究所報告, Vol.49, No.1, pp.3-25.
最近の計算結果
河川には堰や橋脚、水制など様々な工作物があります。それら工作物は流れを調え、河川水位をコントロールするなど、河川の有効活用と防災に役立っています。その一方、河川での水難事故のかなりの件数がこれら工作物周辺で生じています。研究室では様々な河川工作物を取り上げ、その周辺で生じる複雑な流れの危険性を人体と流れの同時解析シミュレーションで明らかにする研究をしています。下の動画は卒業研究として取り組んだ水制周辺での溺水シミュレーションです。岸近くの流れの勢いを弱めるため、岸から河川中央へ張り出して設置される水制では、その後部に渦を伴う複雑な流れが生じます。誤って水制から転落した場合、水制後部の渦を通過する時に水中へ何度も引き込まれてしまう可能性が研究により示唆されています。
(実際の3倍速で再生)
(人体周辺のズームアップ;実際の3倍速で再生)