河川事故の一つにボディ・エントラップメントがあります.流水中に潜む木など障害物へ体が接触した場合,流水の大きな力で体が障害物へ押し付けられ,身動きが取れぬまま溺水してしまうことがあります.流速2m/sのシミュレーションでは体には実に200kg重程度の力により,体が障害物に押し付けられる結果となりました.
大学院説明会[地球環境共創コース]が開催されます
中村研は地球環境共創コース(主担当),及び土木工学コース(副担当)から大学院生を迎えています.そのうち,地球環境共創コースの進学説明会が5月17日(土)に開催されます.研究室にご興味をお持ちの方は,ぜひご参加ください.
全学Web: https://admissions.isct.ac.jp/ja/news/lkmwbxj9441l
可視化[路地への津波]
津波が路地へ侵入した場合のシミュレーションを講義として実施しました.高さ2mの津波が路地の両方から侵入したと仮定しています.自動販売機や自転車など,路上にある多くの物体が津波とともに人体へ襲いかかります.物体との衝突は,津波の危険性を増加させるとされており,今後も研究を続けるテーマとなっています.
最近の研究
河川には水難事故が繰り返し起きる「危険箇所」があります.河川が大きく屈曲したり,突然水深が深く掘れている場所などでは流れに危険な渦や下降流が生じることが原因のひとつとされています.研究室では人体と流れのシミュレーションモデルを用い,実際の河川の「危険箇所」をコンピュータ内に再現し,危険性を評価する研究を開始します.
研究室訪問
学部生が研究室を訪問してくれました。参加した学生は自分で問題設定をし、研究室で開発している人体ー流体連成シミュレータDRUMを用いたシミュレーションを行ってくれました。階段を歩行している人が津波にどのように巻き込まれるのかについて疑問を持ち、解析をしてくれました。動画は高さ5mの津波のケースです。若い皆さんの素直な、形に縛られない発想は新たな研究テーマを教えてくれます。研究室では私達の研究室や研究テーマについて興味のある方の訪問をいつでも歓迎します。ぜひご連絡ください。
可視化
滝付近では水難事故がよく発生します。勢いよく落下してくる水は大変気持ちよさそうですが、滝壺でどのような流れが形成されるのか、また、その危険性はよくわかっていません。現在、人体と流れの同時シミュレーションモデルを滝壺の流れに適用し、その危険性を評価する研究を開始しました。以下は計算規模を検討するための単なる試行シミュレーションで、これから実際の滝の地形や水理学的状況の再現に取り組んで行きます。
可視化
津波被災時の人体が受ける傷害のリスク評価を目指しています。下記は津波に流された人が建物へ打ち付けられる場合のシミュレーションです。自動車事故の評価基準を適用し、シミュレーション結果から怪我の程度や種類を検討して行きます。
可視化
急斜面での雪崩の危険性評価のシミュレーションをしています。角度45度の急斜面で雪崩に遭遇した人体の解析です。雪崩は非ニュートン流として解析しています。
水工学論文奨励賞を受賞しました
昨年、修士2年生の学生が執筆し、土木学会論文集に掲載された論文「人体-流動連成数値解析による高所からの落水事故の傷害リスク評価」が「水工学論文奨励賞」を受賞しました。この研究は学生さんのアイデアで取り組み始めたもので、橋など高所から水面へ落下することの危険性を評価したもので、今後の事故防止に役立つと期待しています。
おめでとうございます!