可視化

シミュレーションの結果から物理的な考察をするには、どのようなグラフや画像を作成するのか、つまり可視化が重要になってきます。学生さんには自分のセンスで、素晴らしい可視化を期待しています。下はサーフィンでの事故防止に救命胴衣が使えるのでは?との研究の途中結果。

セネガル川現地観測ーアフリカ セネガル/モーリタニア

西アフリカのセネガル川下流域では雨季に広大な氾濫が生じ、稲作の障害となっています。氾濫範囲を数値シミュレーションで求め、どの程度の被害や、将来的な治水対策がどれだけ効果があるのかを調べることを目指しています。シミュレーションには現地での状況の調査が欠かせません。今回はセネガルから入国し、モーリタニアへ陸路移動し、国境河川であるセネガル川を両国から現地観測しました。

パリ・ダカールラリーで有名なダカールからセネガルへ入国です。まずは、セネガル川の流域国のセネガル、モーリタニア、マリが参加するセネガル川流域開発機構を訪問し、我々の研究の紹介や現地スタッフから情報の聞き取りを行いました。

今年の雨季は降水量が多い様でセネガルは緑に溢れていました。

ダカールの街中ですが、バオバブの木を多く見ることができます。

現地観測に備え、首都ダカールから北部のサンルイへ移動します。移動中の車内から。

 

サンルイはフランス植民地時代のコロニアル建築が残る街で、世界遺産に選定されています。

サンルイはセネガル川河口に位置します。ここを拠点にセネガル川をさかのぼり複数の地点でセネガル川を船で横断しつつ流速を観測します。今回は200kmほど車で移動した街、ポドルまで足を伸ばしました。

セネガル川を北に渡ってモーリタニアに入国し、モーリタニア側から観測します。モーリタニア第3の街であるロッソを拠点としました。

雨季の氾濫によりセネガル川の周りでは氾濫が広がりつつありました。

 

灌漑水路は掘ったままの状態で、セネガル川の岸にも特に堤防らしきものはありません。

モーリタニア側を流れる主要な支川について、橋の上から流速観測を実施しましった。

観測後は首都ヌアクショットへ移動。サハラ砂漠の西の端をかすめ北上します。砂漠を車窓から見つつ、穴だらけの国道を進みます。

ヌアクショットは近代的な街。ここでは消費者の嗜好調査を行うための下準備として市場を見学しました。

大西洋岸にある魚市場では、目の前の砂浜から漁へ出ます。

こちらは街中の市場。混沌と活気に満ちています。

 

 

トンレサップ湖に関する研究会

カンボジアのトンレサップ湖の流動に関する国際研究に参加しています.金沢市の四高記念館で学生が研究発表を行いました.衛星リモートセンシグを専門とする先生や学生さん達とも情報交換し,大変エキサイティングでした.

カンボジア観測

カンボジアへ観測に行ってきました。今回は学生1名が一緒に参加してくれました。カンボジアのトンレサップ湖は東南アジア最大の淡水湖です。雨季には最大で 縦200km x 横50km もの大きさになります。湖には100万人以上の人が水上集落などを作って生活していると言われています。今回の目的は水上集落のひとつであるChhnok Truです。流れのシミュレーションを行い、水質の変化を流れから理解することを目指しています。今回の観測では、そのために必要となる集落付近の河川の地形(深さ)をADCPを用いて測量してきました。3月は乾季で、4月にかけて一番暑い時期です。今回も30℃以上の気温の中、3日間小さいボートの上で耐えました。景色は最高です。

Chhnok Truの水上集落の間を行きます

 

観測船には簡単な屋根がついています。椅子は板切で座りごごちは…

 

測定器(ADCP)です。船で曳航しつつ超音波で深さを測って行きます。

 

今回参加してくれた学生さん(右側)。お疲れさまでした。

 

 

 

 

修士論文発表会

平成29年度の修士論文発表会が2月13日に開催されました。2名の学生がエントリーしました。宮城県釜房ダムと東京都呑川について立派に発表をしてくれました。Good Job!

溺水の実験に参加しました

港湾空港技術研究所(久里浜)にある大型水槽を用いて津波を模擬した実験に参加してきました。長さ100m以上の巨大水槽で津波を作りだし、その津波によりどの程度の衝撃力を受けるのかについて、人形を用いた実験を繰り返し行いました。我々の研究室で開発を進めているDRUMモデル(溺水モデル)を研究テーマとする学生さん2名が参加してくれました。

実験に使用した人形です。

水路床に設置します。

写真奥側から津波を入射させます。

 

 

 

カンボジア ー 現地観測 & 国際会議参加

JSTとJICAの支援を受けた国際協働研究プロジェクトに参加しています。カンボジアにある東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖を対象とし、その流れを解析できるシミュレーションモデルを開発することがゴールです。今回は10日間の滞在で修士1年と学部4年生の学生2名が一緒に参加しました。現地にて超音波流速計(ADCP)を用いた流速の観測を湖内を横断しながら実施した後、世界遺産であるアンコールワット遺跡に隣接する観光都市シェムリアップで開催された国際シンポにて発表しました。

湖とメコン河を結んでいる河川で第一回目の観測です.

時折、タイやベトナムなどとの国際航路の大型船が通りすぎていきます。

観測の合間には食事で栄養補給.現地での郷土料理も観測の楽しみのひとつです.今回はアリの炒めものを美味しくいただきました.

湖に向かいます.舗装路ではありませんから、4輪駆動車で揺すられながら移動します.

湖は雨季になると10m程度水深が深くなります.そのため船着場は特になく、道路が水の中に沈む先端が船着場となります.水面が高くなるにつれ移動していきます.

 

 

 

 

流速計に内臓されている磁気コンパスとジャイロを観測前に補正します.踊りのように見えますが、かなり難しいものです.

観測開始です.右の小さいボートに流速計が付いており、船で引っ張りながら湖内を横断します.

横幅は大人2名が座るといっぱいの船です.屋根は毛布で代用します.

湖内の様子.

岸に近づくと水没した灌木群が確認できます.

 

トンレサップ湖には多くの水上集落が点在しています.この集落の中には寺院もありました.

観測終了、お疲れさまでした.

観測の後はシェムリアップへ移動し国際会議で発表です.学生2名に発表をしてもらいましたが、立派な発表でした.上は宿泊したホテル.国際会議の会場だけあってなかなか立派なホテルでした.

学会最終日にはテクニカルツアーです.トンレサップ北部はラムサール条約の対象地となっています.今回はその管理所にお邪魔しました.

こちらが管理所.やはり水上に浮かんでいます.

現地水上集落の居住者の方を招いてワークショップが開催されました.

呑川観測

呑川での現地観測は継続的に実施しています。

河道には海水が浸入してきますので、海の水面の高さである潮位によって状況が大きくことなります。そのため、小潮、大潮など潮位変化の大きさの違う時期、あるいは1日の中でも干潮、満潮と異なる時間での変化を観測します。この日は水面にスカムが発生しているのが見られました。

スカムは水面に浮遊する汚濁固形物です。下水道等から流入・堆積した汚濁物質が嫌気的状況で発生するガスにより水面へ浮上してくると考えられています(嫌気的状況は水中の酸素濃度が枯渇した状況で、流れが弱い場合や、塩水の層が底に長期間留まるとなりやすいことが知られています)。今回も修士2年の学生が中心に実施してくれました。現地観測結果がスカム抑制に結び付くよう頑張りましょう!