愛媛県松山市にて土木学会主催の水工学講演会が開催されました。修士2年生の学生がローヘッドダム下流循環流の危険性評価シミュレーションの成果を発表してくれました。
可視化
研究室ではParaviewを可視化ソフトに使用しています。Apple製のPCはApple内製のCPUに変更されたため、しばらくParaviewでRaytracingができませんでした。このたび、Paraviewが5.11.0にアップデートされ、めでたくApple製CPUでも可能となりました。下のアニメーションは水中を走る際の流体計算結果です。歩行など人体の運動動作を入力し、その際に水から受ける流体力が評価できるようになっています。この機能を使って避難時の危険性などの研究がしたいのですが、あいにく担当していた学生さんの卒業で一時ストップしています。だれか引き継いでくれると嬉しい…
研究室訪問
学部3年生が研究活動の体験をしに来てくれました。下はその際に行ってくれたシミュレーションです。自分で研究の問題設定をし、シミュレーションの入力データの作成、シミュレーションの実行、そしてシミュレーション結果の可視化まで頑張ってくれました。
1. 堰状構造物の人体の流下阻止能力のシミュレーション
ケース①:うつ伏せ姿勢
ケース②:膝を抱える姿勢
2. 海岸における地形が溺水に及ぼす影響のシミュレーション
ケース①:一定勾配の地形
ケース②:海岸にリーフ状の地形がある場合
最近の取り組み
港湾空港技術研究所が開発したシミュレーションモデルSTOC-LT[1]を用いた研究をスタートさせています。東京湾の高精細シミュレーションを目標にしていますが、現在は学生さんとシミュレーションモデルの勉強中です。STOC-LTは流動に加え、水質、生態を同時に解析可能なモデルで、魚のシミュレーションも可能!大変素晴らしいモデルです。
[1]田中陽二・鈴木高二郎(2010), 港湾空港技術研究所報告, Vol.49, No.1, pp.3-25.
最近の計算結果
河川には堰や橋脚、水制など様々な工作物があります。それら工作物は流れを調え、河川水位をコントロールするなど、河川の有効活用と防災に役立っています。その一方、河川での水難事故のかなりの件数がこれら工作物周辺で生じています。研究室では様々な河川工作物を取り上げ、その周辺で生じる複雑な流れの危険性を人体と流れの同時解析シミュレーションで明らかにする研究をしています。下の動画は卒業研究として取り組んだ水制周辺での溺水シミュレーションです。岸近くの流れの勢いを弱めるため、岸から河川中央へ張り出して設置される水制では、その後部に渦を伴う複雑な流れが生じます。誤って水制から転落した場合、水制後部の渦を通過する時に水中へ何度も引き込まれてしまう可能性が研究により示唆されています。
(実際の3倍速で再生)
(人体周辺のズームアップ;実際の3倍速で再生)
最近の計算結果
研究室では水難事故の危険性評価に取り組んでいます。最近、体重に対する表面積が大人よりも大きくなる若年層(子供)について、その体型の影響に関心を持っています。子供の体のモデル化に関連して、浮力の計算精度チェックをした試行計算結果のひとつです。
卒論発表会
研究室では大学院修了・大学卒業のシーズンに入り,学生さんそれぞれが自分の研究成果を論文発表会で発表しています。皆さん,COVID-19で厳しい状況にもかかわらず立派な成果を出してくれました。お疲れさま!
研究室訪問-2
学部3年生が研究活動の体験をしに来てくれました。下はその際に行ってくれたシミュレーションです。物体の種類・配置を変え,波高10mの津波のシミュレーションをしてくれました。
Case1:丸太と人
Case2:車・電柱・自転車・家具と人
最近の研究
3次元データを汎用的なSTL形式から入力できるようにシミュレーションモデルを改良しました。波高10mの巨大津波の影響を試行的に計算した結果です。
最近の研究
河川では堰などの構造物付近で水難事故が多発することが知られています。下記は橋脚後方に生じる渦による水中への引き込みをシミュレーションしたものです。